大前良平

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できた答えを葬り去る

先週の三連休の最終日は、神戸に行ってきました。コーヒー生豆を卸してもらっているマツモトコーヒーさんを訪ねるのが旅の目的。兼ねてから、先方には電話やメールで焙煎の相談には乗ってもらっていたのですが、「結局、直接会った方が早いので」ということで指導を乞いに行ってきたのです。まず、僕が持参した焙煎豆を三人でカッピング(テイスティング)。ドキドキ。ドキドキ。マツモトさん「…あ、美味しい。めっちゃ変わりましたね!」思わず、口元が緩んでしまうのを隠しきれませんでした。実は、一か月ほど前にもうちの焙煎豆を郵送して飲んでもらっていたのですが、その時にマツモトさんから受けたアドバイスをもとに、焙煎方法を少し変えていたのです。それから、マツモトさんの焙煎に対する考え方のレクチャーを受けた後、焼き方を変えた三種類の豆を焙煎、カッピング。うーむ、なるほど。…ふんふん。…へええー!活字にするとこんな感じで、納得と驚きの連続でした。百聞は一味に如かずで、本やネットで得るたくさんの情報よりも、一杯のカップから得ることのなんと大きいことか。焙煎って、一人っきりで黙々とやる作業なので、気がつけば自分の「正しい焙煎」みたいなものができているのです。で、そこから外れると、「あー、失敗した!」となる。でも、果たしてそれが本当に失敗なのか?そもそも自分の信じていた方法は正解なのか?それは自分が勝手に決めた尺度ではないのか?今回の旅は、そういう自分の答えを一度葬り去る旅だったとも言えます。でも、これからきっとまた新しい答えができて、それもまた葬る。前進するということは、その繰り返しなんだと思います。常に再構築すること。またひとつ、コーヒーのことが好きになれました。またお時間があれば、少し変化したボタンのコーヒーを飲みにきてみてください。