トロピカルフルーツと星野哲郎(2023.5.21instagramとその続き)

昔バンコクの安宿で会った、歳も近くて同じ大阪出身の女の子と仲良くなってpaiという村まで一緒に行くことになり、paiの安宿、バナナの葉っぱでできた屋根のバンガローに泊まって毎晩何も実がならない話をしながら深酒をして、昼間はムーンビレッジ(有名なヒッピー村。知ってる人いるかな。)に行ってはその健全さが眩しすぎたりして宿に戻って酒を酌み交わし、「もう明日はほんまに出るわ。次行かなな。次。」とかお互いにすぐに言うのだけどその時東南アジアは酷暑期。字のとおり酷い暑さでそれと同時にライチとかマンゴスチンなどの日本では高級なトロピカルフルーツが毎日安くお腹いっぱい食べられるフルーツ天国でもあったので我々もアルコールで疲れた身体を毎日フルーツで浄化させるイメージで食べまくっており、「てか、ライチ美味すぎるからもう一泊するわ」とか滞在を延長する理由をフルーツにその荷を課すなどして結局は2週間程、やっぱり何も実のならない話ばかりして過ごした5月が私の人生で1番フルーツを食べた時間でした。

その後彼女は東ヨーロッパへ、私はラオスへ向かいました。

「ボタン ア・ラ・モード」「ストロベリーチーズケーキパフェ」ともにおかげさまで毎日大人気です。ありがとうございます。

(5月末で今季の販売は終了しました。とても好評でしたので、冬にまた現れるかもしれません。その際はまたお知らせいたします。)

東京の保育園で働きながら仕事もやりがいあるし毎日それなりに楽しいしなんとなくこれでまぁ良いかなという生活を送っていた時にTSUTAYAで借りた「銀河鉄道999」を観た時、999号に乗って新しい惑星に到着する度に自分の価値観や生活や時間の軸を絶えずひっくり返されながら進んでいく星野鉄郎がたまらなく眩しくて、気がつけばバックパックを背負って飛行機に乗っていました。星野鉄郎には機械人間に母を殺された辛く強い想いがあり、機械の身体を何が何でも手に入れるという目的がある一方、私はその高揚感に惹かれるままなんとなく長い移動生活が始まり、そしてなんとなく終わっただけだったけど。酷暑期のpaiでトロピカルフルーツを食べまくっていたのは、その最初期に当たります。

沢木耕太郎とかジャック・ケルアックとか、日本を離れるに当たって影響を受けたひとは他にもたくさんいるけど、その存在がグッとくる星野鉄郎がぶっちぎりで影響力第1位です。

今年亡くなった作者の松本零士さんのお別れ会がこれを書いている今日あったらしい。彼が星野鉄郎を描かなかったら犬山にも来ていないし、マメちゃんともインドで会っていないし、珈琲ボタンもここに無かったと思います。

お別れ会の祭壇には、鉄郎とメーテルに見送られて愛猫ミーを抱く松本零士さんの写真が飾られていました。

先生ありがとう。2歳の息子は鉄ヲタになりました。

どうか安らかに。

(yome)

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