美味しんぼと限りなく透明に近いブルー(2023.7.15instagramと別候補)
梅シロップ完成のアナウンスに関してInstagramに載せた文と、「いいね」をあまりもらえなさそうという打算的な考えにより使わなかったけど本当は載せたかった文と、両方をここに残します。
[採用分]
バンコクのカオサンストリートのメインから少し入ったところにあったよく行っていたカフェは例えばアイスティを頼んで、半分くらい飲んだことを店員さんが確認するや否やすかさずそのアイスティのグラスに何の断りも迷いもなく水を足して薄めてくれて、また半分飲んだらまた足して永遠に希釈してくれるサービス(全ての飲み物に対応)があり、初めての時はそのカルチャーの違いにびっくりして笑っていたのだけど、あぁ、これはきっと「時間を気にせずゆっくりしていってね。大好き。」という意味だと解釈して、最後はほぼ水になったアイスティを飲んでグルメ漫画「美味しんぼ」なんかを読んで過ごしていました。
ボタンの梅シロップが今年も出来あがりました。
無農薬の梅と純米酢をほんの少し。
ジュースでもソーダでも、暑さで疲れた身体が喜びます。
ボタンには希釈サービスはありませんが、ぜひゆっくりしていってください。
[不採用分(本命)]
マメちゃんのおばあちゃんのお宅で先月それを見つけるまでその本を再読するどころか20代の頃夢中になってたくさん読んだその作家のことを思うことも今後ないだろうと思っていたけど、作家の紹介文もまだ武蔵野美術大学在学中の第4刷目で、作家本人が描いた絵の表紙もいい感じに色褪せたハードカバーのその本の持つ引力に逆らえず意に反して気がつけば許可を得て持って帰ってきてしまっていました。少し前に作家の出身地である長崎県佐世保市出身の、20代の本をよく読む常連のお客さんに作家の話をしたら「誰やねんな知らんがな(意訳)」と言われて軽くショックを受けたけど、カンブリア宮殿の小池栄子の隣のひとと言えばわかるかな。ドラッグと性欲と暴力に溢れた若者の退廃的な生活を淡々と描く、芥川賞を受賞した作家のデビュー作であるその本は、東京の福生という特殊な文化が背景にあって極めてセンセーショナルな内容だったから20代の時に若さ故グッときたとずっと思っていたけれど、今読み返すとその内容を静かで詩的な文章と良質な映画のような展開を見事に文字で描いている作家の才を確認できて、初めて読んでからの約20年間が塗り直されたような気持ちになり、ひとり悦に入っております。マメちゃんのおばあちゃんの家ナイス。
透明でほんの少し色のついた液体を見ると、いつもそのタイトルと内容のギャップと、逆に通底するものと、元々つけられるはずだったタイトルの存在(ハード過ぎてここには載せられないのです)なんかも加味されて渦巻いて、今でもその本が頭に浮かんできます。
ボタンの梅シロップが今年も出来あがりました。
無農薬の梅と純米酢をほんの少し。
「限りなく透明に近いオレンジ」色になりました。
ジュースでもソーダでも、暑さで疲れた身体が喜びます。
(yome)
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